チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷



塩野七生氏は自分の中でライトノベル作家と認定されました。それも極上の。
生半可なラノベより格段に面白い。文章の奥にとんでもなく熱いものがあるというか何というか。タイトルからして凄みがあるし。
作者はチェーザレについて調べて調べて調べた上にまた調べて、自分の中に人物像を構築したんだろうなあ。
事実は小説より〜というけど、事実に基づいた文章には本当に重みがある。
その事実の積み重ねによって成り立っている歴史という分野の面白さを知らせてくれる本。単純にラノベとして読んでも全然OKな所が凄い。
特にあの老人がチェーザレを訪ねてくる下りは事実は小説より〜を地で行く超展開。アンタ何でここにいるんだ。
明日はこの人のデビュー作を読みに行く予定。こちらではチョイ役だったチェーザレの妹の話も入ってるらしいので今から楽しみ。
それとボルジアと言えばグイードだけど、ボルジア家は法王まで出してる聖職者の家系らしいのでその辺意識して名付けられた可能性は高いかと。



全く関係ないけど、ローマ人の物語文庫版の装丁は最高に美しいと思う。本当にあのダークブルーの本は新潮文庫なのか。
あの本を目の前でスーツのポケットから取り出されたら大抵の人は格好良いと思うに違いない。いつかやってみよう。