カンピオーネ! 神はまつろわず:丈月城 スーパーダッシュ文庫



内容はごく普通の型月系で神を殺してその権能を奪った男子高校生とその相方の美少女魔術師が神々とか同じ神殺しとかとバトルする話。
基本、文章はしっかりしてる。ラノベ的に読みやすくかつそれほど軽くない。あと世界の神々の起源とかについてよく考証してあってそれを
敵や主人公の能力と結びつけて描写しているあたり、巷に溢れる凡百の同類とは一風違った物を感じる。ラストバトルが少し物足りなかったというか
主人公が持ってる十の能力の中で最強っぽいのがどうにも絵的に栄えない類のモノなのはどうかと思ったけど、それは今後の成長に期待。
ギリギリ次を買おうという気になるくらいには面白かった。


この本で特筆すべきは「主人公がひょんな事から神を殺して力を得る過程」と「力を得た後に他の神殺しとしでかした大バトル」が明確に全く過去の出来事として
扱われていること。あたかも「これはシリーズ途中の3巻なんですよ」とでも言いたげな感じでごく自然に説明が省かれてる。たぶん売れたら過去編も出るんだろうけど
小説って1巻から書く必要はないんだなぁ、と気付かせてくれたという意味でめっぽう面白かった作品。おいしい要素が後にあるならそれを先に見せた方が良いよね常考
「リプレイだって高レベルで始めた方が売れる」みたいな事をじゅんいっちゃんも言ってたらしいし。