六武神のガイドライン
「――そうか。ワードナが、とうとう蘇ったか」 「あら、怖がるかと思っていたのに……意外ね」 「俺は、誰が相手だろうと怖がったりはしない」 「私たち六人でひとつの部隊と同等ですからね」 「わしらの存在は他国との戦さを避けるほどだ」 「強すぎる、というのも問題があるのかしらね」 「あるわけがないだろ。やはりこの世は力だよ」 「楽に勝てる相手ばかりだと体がなまっちまう」 「しかし今回はホークウィンドがいないんだぜ」 「仕方があるまい。大切な任務があるのだから」 「イルミナスから古代呪文を運んでくるらしい」 「古代呪文……おもしろそうね。興味があるわ」 「それがあれば、ワードナにも楽に勝てるかな」 「なくても平気さ。この剣で叩き斬ってやるぜ」 「静かにしろ。誰かが、こっちに近づいてくる」 「凄い殺気だ。ワードナ以外には考えられない」 礼拝堂の扉が開いた。 すべての聖職者の視線が集まる。 入ってきたのは従僧のひとりだった。慌てている。 「た、大変です。ワードナが来ます。ろ、《六武神》は殺されて――」
引用元は手塚一郎「ワードナの逆襲」。
いいコピペ元になるかと思ったんだけど無理っぽい。この時点でネタとして完成されてるし。
ちなみにこの本は風龍や灰と青春に並ぶ名作Wiz小説のひとつなので見かけたら即購入することを推奨。
復活したワードナを食い止めようとする冒険者たちがゴミのように殺されていく描写がとにかく秀逸すぎる。