ワイルドアームズ ザ フィフスヴァンガード



仲間6人で戦闘メンバーは3人なんだけど、それでも全員を使うことになるバランス調整は見事だと思う。
それぞれの持ってるミーディアム6種類が物理攻撃・魔法攻撃・回復・防御・補助・移動に対応していて、
戦況に応じて入れ替えつつ戦っていく感じ。もちろんゴリ押しも可能だけど、たぶん相当苦労する。


この辺は育成の自由度と戦闘バランスとの問題も絡んでくると思う。
例えば中ボスの能力をどう調整するか。パラメーターはどの程度で、どんな行動をとるのか、状態異常への耐性はどうするか。
できれば主人公パーティがギリギリで勝てる程度が最も望ましい。そこで主人公パーティの強さをシミュレートする必要があるわけだけど、
育成の自由度が高いと、彼らがボスに辿り着く時点での戦闘力がひどく読みにくくなってしまう。結果、そうしたRPGでは
「主人公パーティーをどう育てても勝てるように」敵の強さが調整されることが多いため、戦闘のギリギリ感は薄れてしまう。


で、このゲームには使えるスキルが全て装備中のミーディアムに依存する、という育成制限があって
主人公パーティーが戦闘中にに可能な行動は限られている。基本的に回復役は回復、攻撃役は攻撃以外では役立たず。
だからこそボス戦が割とスリリングで、合成による無限稼ぎとか強力なバッチの早期入手とか裏をかく方法は色々あるのだけど、
それらを駆使して全力で裏をかいてようやくストーリー上のボスに殺されなくなる、ってくらいの絶妙な難易度を実現してる。
で、それ以上にツラい戦いをしたい人のために、それこそ絶望的な強さの隠しボスが何体も用意されているわけで。
何というか、数字をインフレさせるだけがやり込み系RPGじゃないんだな、と。もちろんあっちはあっちで面白いのだけど。