ふたりジャネット:テリー・ビッスン 河出書房新社



突拍子の無いアイデアを膨らませて形にするタイプのSF短編集。
「熊が火を発見しました」
「ATMが意志を持ちました」
「イギリスが漂流を始めました」
「小説家が山ほど引っ越して来ました」
「地球と月が一点で繋がりました」
「蛾を飛ばしてハリケーンを止めました」
「時間が他の宇宙に漏れてます」
みたいな出来事が説明抜きでさもあるかのように語られる。
熊と一緒に焚き火したりとか、海岸で地面が波をかき分けて進んでるのを観察しつつ散歩するとか、
登場人物が状況に馴染んで日常生活している様子の描写がとにかく秀逸。