『詩人と狂人たち』の一節

「あの色は金よりもっと華麗じゃないか。ああいう色は、滅多にない赤い夕焼雲で見たことがあるだけだ。
 あの金魚は金色というより銅色に近い。そして、銅は金よりも二十倍も綺麗だ。
 なぜ銅が一番価値のある金属じゃないのだろう?」

「だれかが小切手を金に替えに来たとき、代わりに銅を渡してやって、銅のほうが、鮮やかな夕焼色をふんだんに
 帯びていると説明してやったら、どんなものだろう?」