劇場版∀ガンダム



ビデオ借りてきた。2本で上映時間は4時間ちょい。
全50話だった原作を8話分の時間で再現してるので、やや駆け足気味。
こっちを見るならあらかじめ登場人物一覧くらいは確認しといた方が良いかも。
あー、それと豆知識。"∀"は"すうがく"で変換すると出てきます。


文明崩壊の影響から逃れるべく月に避難していた人々(ムーンレイス)が2000年ぶりに地球に帰ってきた。
移住のための土地を求めるムーンレイスとずっと地球に住んでいた人々との間で争いが。
地球側の文明レベルはかろうじて飛行機飛ばせる程度。技術的には月の方が圧倒的に上ながら、
月側は戦争を望んでいる訳ではない。一方、地球側は月の戦力にビビって割と本気で抵抗したり。


序盤は割と地球側が悪役に見えますな。
月側はなるだけ事を荒立てたくないディアナの命令で、地球の人間殺さないよう極力無抵抗。
数十機単位で飛んでくる飛行機とか落としたら絶対人死ぬので、せっかくのビームライフルも投下してくる爆弾を迎撃するしかできなかったり。
あと背の低いMSなんかはトラックの体当たりで段差から落とされて壊されたり。


「ヒゲが来たのか?」 「ヒゲに狙い撃ちされた!?」 「おヒゲさん?」
敵味方からヒゲヒゲ言われてます∀。富野監督自身も上がってきたデザイン見て一瞬絶句したんだとか。
役立ってる様子は全く無かったけど、結局あのヒゲは∀にとって何だったんでしょう。


∀のビームサーベル二刀流は格好良いですよ。横視界モニター使えるようになってビーム避けた場面も地味に好き。
あと先頭に立って初のIフィールドでメガ粒子砲防ぎ切るシーンも。
装備の無い状態からだんだん使える機能が増えて強くなっていく、というのはRPGっぽくて楽しかったです。


月と地球が最終的に手を結ぶには、ギンガナムみたいな共通の敵が必要だったんだろうなあ。


ハリーvsギンガナム御大将
ターンXは、金縛りにしろッ!」→「このターンX、さすがターンAのお兄さん! スモーのエネルギーまでもらっている!
わかっているのか、ハリー・オード!」→「ユニバーース!」→「月光蝶である!」


スパロボα外伝で見た時は、原作を中途半端に抜粋したから意味不明なんだろうなあ、と思ったのだけど
原作でも本当にそのまんまのやり取りだった件について。でもまあ、とりあえず意味は通じました。
この会話で一番訳分からないのはハリーのユニバーース! だけど、ロランも月に向かってユニバース! と叫ぶシーンがあるのですよ。
だから全然おかしい台詞じゃない。きっとムーンレイスの感嘆表現か何かなのです。


しかしギンガナム御大将の中の人凄いですよ。ボーボボとか魔王ゼタとかシュウ・シラカワとか
悠久幻想曲アレフ・コールソンとか、色々と幅広い役をこなしてますし。
でももしかしたら、どのキャラも子安武人さんというキャラクターの一側面なのかと思ったり。ギャップが激しいからわかり難いだけで。
少なくとも「鼻毛神拳奥義ー!」と「月光蝶である!」のシーンは脳の同じチャンネル使って演じてたと思います。


富野監督のアニメはあまり観た事なかったのだけど、ガンダムが神格化されてる理由が何となくわかったような。
作品全体から揺らがない山のような頼もしい安定感を感じました。アニメという媒体で物語ることに熟練した人間の仕事ですよこれは。