殺×愛2 ―きるらぶ TWO―



富士見ファンタジア文庫2月の新刊。作者は後書きと本文のテンションが180度違う風見周氏。
相変わらずラブと鬱のコラボレーションが良い感じです。ただ今回、鬱具合は少し控えめでラブが大幅増量。
その元凶は交換日記。ヒロインのサクヤが主人公とやりとりしてるという設定で、章の合間に文章が入るという形式。
あれは何気にコロンブスの卵だと思う。その時々のヒロインの感情をごく自然に表現できてる。一方的に長々と書いてもダレないし。
というかぶっちゃけ萌える。日記であれこれ内心語られるのは良いものです。地の文や台詞とはまた違った種類の感慨が。
あと単純にラブコメばっかりやってるように見えるけど、設定的には全然問題なくストーリー進行してたり。
物語の骨子が
1.何か、世界が滅亡しかけてます
2.世界を救うには主人公を殺さなければなりません
3. でも主人公は不死身です
4.不死身の主人公を殺せるのは彼と相思相愛の人物のみです
5.かくて奥手な戦闘系ヒロインは世界を救うべく主人公との恋愛に必死です
みたいな感じなので、まさにタイトル通りキルでラブ。2つは表裏一体でストーリーの両軸なのです。
一見トンデモに見えて、その実シリアスな世界観で違和感なくラブコメ、という点に特化した良質の設定かと。


ああそれと世界樹可愛いよ世界樹。本名が丹闇であだ名がにゃみの猫キャラで匂いつけのうにゃにゃにゃーの途中までで20分。
狙いすぎだけどそれが良い。主人公はもっと不正アクセスをするべきだと思います。
あと最近絵師の人が後書きイラスト付けてるラノベをよく見るけど、あれは良いと思う。好きで仕事やってるのが伝わってくるし。
何よりこの小説は絵師も世界樹好きで当然巻末イラストも世界樹なのが素晴らしい。
ぜひ次巻といわず次もその次も最終巻まで世界樹メインでどうか一つ。世界? いいじゃん別に滅んでも!?