眠り姫



貴子潤一郎氏が富士見ファンタジア文庫で書いた短編集。大賞受賞した「12月のベロニカ」が面白かったので読んでみた。
文章がしっかりしてて全体的にクオリティ高めの良作だった。特に気に入ったのが未発表短編な「探偵真木」シリーズ3作。
主人公が30過ぎの探偵で相方が同い年のヤクザなハードボイルド物。
1作目はどう見ても講談社ノベルスな話だったのだけど、2作目から何かこなれてきて、3作目で完全なライトノベルに。
書いた時期が違うとは言え、同じシリーズでここまで雰囲気が変わるのは珍しいかも。ヤクザの橋爪とか、物凄い勢いでツンデレ化してたし。
あのツンデレぶりは只事じゃない。というか作品中最大の萌えキャラは橋爪。
1作目で主人公蹴りまくるツンとそれ以降のデレとの格差が最高。本人の前ではほとんどデレにならない点もポイント高い。
「煉獄のエスクード」とはまた違ったベクトルで楽しめた。このシリーズ、富士ミスあたりで出してくれたら多分買う。
それと絵師のともぞ氏が何気に芸風広くて良い感じ。萌えキャラも強面ヤクザもきっちり描けてる実力派。
あんまり名前聞いた事ないのだけど、新人というには上手すぎるような。他ではどういう仕事してるのか気になる。