サマー・タイム・トラベラー2



新城カズマ氏の新刊。1巻と比べて他の古典SFへの言及は控えめで、その分ストーリーと主人公達の掘り下げに力が入ってる。
読み終えた感想は「ああ、青春だなあ」。もうこれ以上無いくらいにストレートな青春小説。
ライトノベルには高校生主人公が多いけど、それは必ずしも青春とイコールではないと思った。
良く考えたら氏が普通の高校生の真っ当な生活書いたのってこれが初めてでは。
蓬莱学園の連中は一応高校生だけど、全然高校生離れしてるし、年がら年中大騒動に巻き込まれてたし。
というか主人公達がスペック高くて大騒動に巻き込まれてるのは今作でも同じなんだけど、それでもやっぱりこれは青春という気がする。
起こってる事がどんなに大掛かりでもそれを決定したのは全て主人公達の意思なわけで、物語の主体はあくまであの5人。
発生する出来事の原因は全て高校生達の感情。これがこの話を青春小説たらしめてる要素だと思う。