ゲーマーの卒業時期



昔は同じRPGを何回クリアしても面白かった。
今は一度で十分だ。それどころか、途中で放置する事すらある。
ゲームがつまらなくなったのか? それは違う。
技術もつぎ込まれる金額も、昔とは段違いだ。
音楽、シナリオ、グラフィック、ゲーム性。全ての面でゲームは進歩している。
にもかかわらず「昔のゲームの方が面白かった」と主張する人間は
かなりの割合で存在する。


慣れてしまったのだと思う。
音楽がどこか外国の合奏団によるオーケストラだろうと、シナリオが哲学的であろうと
グラフィックが実写に近くなろうと、ゲーム性が経験の蓄積によって向上しようと、
RPGは戦闘と移動とお使いの繰り返しに過ぎないし、
ACTはボタンを押すタイミングを計る繰り返しに過ぎないし、
FTGは体力ゲージの削りあいに過ぎないし、
STGは攻撃を避けつつ敵を破壊する行為の繰り返しに過ぎないし、
SPGは元のスポーツと同じルールの繰り返しに過ぎないじ、
AVGは選択肢選びの繰り返しに過ぎない。
ジャンルをまたぐゲーム、S・RPGやACT要素の混じったAVGというのもあるが、
プレイヤーにとってはどこかのゲームでやった事の繰り返しに過ぎない。


マリオ3。自分の操るキャラが空を飛ぶだけでわくわくした。パタパタの羽に驚いた。
DQ4。味方がAIで動くだけで凄いと思った。
スーファミのマリオ。セーブができるマリオは初めてだった。
スト2。波動拳のコマンドは、多分ボケても忘れない。
マリオカート。レースゲーに必要な事は、全てあれで学んだ。
ポポロクロイス物語。ゲームの中でアニメが動いていた。
FF7。ポリゴンで構成されたキャラやフィールドが、どうしようもなく新鮮だった。


確かに昔やったゲームは、何度も何度もどきどきした。
何もかも面白かった。だから思いっきり飽きるほど遊んで、終いに飽きてしまう。


それを自覚したゲーマーはゲームから離れていく。
どんな熱心なゲーマーでも、むしろ熱心だからこそ、いつかは飽きを感じる。
それを感じた上で続けるか否かが一つの分かれ目だと思う。
ここで続ける人は、多分そのまま一生ゲーマーとして生きることになる。


飽きを自覚したゲーマーであるところの自分は、昔のような未知の体験を
させてくれるゲームを求めている。
最近ではナムコ塊魂が結構いい線を行っていた。前例の無いゲームだったと思う。


オンラインゲームの売り上げは年々増えている。
数十人〜数千人単位のプレイヤーの同時参加は新しい概念だ。
何せそこらを歩いている人に話しかければ毎回違う反応が返ってくる。素晴らしい。
これに飽きることは当分無さそうだ。まだまだゲームは面白い。