ファイアーエムブレム 封印の剣 〜オートセーブ殺人計画〜



ファイアーエムブレム 封印の剣

ファイアーエムブレム 封印の剣



FEと言えば聖戦の系譜しかプレイ経験が無かったので、見聞を広めるべくやってみた。
中古だったので説明書どころか箱すらなかったが、まあ何とかなるだろうと思った。今はちょっと後悔している。


主人公のロイはとある小国の王子であった。
国元を離れて留学してたら突如東の大国が世界征服に乗り出したので、急いで実家に帰ろうとしたら途中で戦乱に巻き込まれた。
「第五章で嫁取られた上にメテオ落とされたりしないだろうな……」
導入の雰囲気があまりに聖戦の系譜そっくりだったので暗い顔になるロイだったが、まあこれはFEのお約束なんだろうと気を取り直して話を進める事にした。


とりあえず味方である家臣団の面子を確認してみた。
若い騎士2人はメインカラーが赤と緑でノイッシュとアレクの転生体だと思われた。
弓使いは徒歩だったのでミデェールでなくジャムカ*1かと思ったが、使ってみたらジャムカほど強くはなかったのでとてもがっかりした。けど弓は好きなので育てようと思った。
アーダンは剣でなく槍を持っていた。手槍を持たせれば遠距離攻撃もこなせると思ったが、やはり移動力・命中率が低いのでLv1のまま終わりそうな気配を発散させていた。
1人めっちゃ強い老騎士がいた。とても忠義厚そうな男であったが、どうせ途中で抜けるお助けキャラだろうから縁側でお茶でも飲んでいてもらおうとロイは思った。


適当にキャラを動かしていたロイは、ユニットが味方に隣接した時「救出」というコマンドが出るのに気がついた。
「説得ともレスキューとも違うよなあ……」
おそるおそる試しに選んでみたらユニット同士が合体した。取り込まれた方のユニットは一時的にマップから消滅し、
合体したユニットと一緒に移動するという扱いになるらしい。要はディスガイア系の持ち上げであった。


その一部始終を見ていたアーダンの目が怪しく輝いた。
ノイッシュの馬に手を挙げて「ヘイ、タクシー」って言って敵の攻撃範囲ギリギリまで運んでもらうとみるみる敵が寄ってきて
フルボッコが始まったが全てノーダメージだった。聖戦の系譜と違い、守備力>攻撃力だと1点も通らないレギュレーションであった。
とうとう俺の時代が来たと大喜びするアーダン。ノイッシュもアレクも偽ジャムカも暖かい拍手を送って祝福したけど調子に乗って
「アイラは俺の嫁!」
とか言い出したのでホリンさんが呼ばれて月光剣でバランバランにされた。
アーダンも活躍できるしHPが減った味方の救援にも使えるこのシステムは素晴らしいとロイは思った。


輸送隊というネームド馬車ユニットも聖戦の系譜組には初の概念だった。調べようにも説明書が無いので適当に動かしたら
倉庫にアイテムを保管して皆に分配する係だと判明した。誰かが店で買った持ち切れないアイテムは倉庫に転送されるが、
この人はそれを自由に引き出し、隣接した人に受け渡す事が出来る。非常に便利なシステムだとロイは思ったが、もしこの人が死んだら
倉庫のアイテムはどうなるんだと不安になったので後方に送って老騎士と一緒に茶飲み話でもしていてもらう事にした。


しばらく進めていくうちにオートセーブの存在が明らかになった。
敵味方のターンを問わず、誰かが動くたびに中断データが勝手に上書きされていくローグライクな仕様であった。
「忙しい時はいつ電源切っても大丈夫です^^」
みたいな事を開発者は表向き言ってそうであったが、ユニットが死んでも修理費で蘇らないFEでこの仕様は
「誰か死んだからってソフトリセットとか無駄ですから^^」
という宣言に他ならなかった。死にたくなければきっちり戦略錬りやがれというシステム側からの挑戦状であった。


ラケシスを仲間にし損ねたのでソフトリセットをフル活用したトライ&エラーの末にエルトシャンを再行動かけたキュアンのナイトキラー2連打で
さっくり始末した経験のあるロイは木にぶら下がって燃えながら
「ソフトリセット万歳ーー!!」
って抗議したけどティルフィングを持ったバイロンさんとディアドラが草葉の陰で泣いていたので大人しく戦いに戻りました。


案の定、第四章でうっかり前に出していた盗賊のデューが2回殴られて死んでエーディンが大泣きしたので章開始時点からやり直しとなった。
難易度は割かし低めで油断しなければまず死なないけど、こういう所で緊張感持たせてバランス取ってるんだなあとロイは思った。

*1:ゲーム業界三大弓使いの一人。連続攻撃スキルの発動率が高く、しばしば遠距離から相手が死ぬまで一方的に矢を撃ち続けるナイスガイ。