魔王物語物語



作者サイト
イストワールのDNAが入ってるっぽいかなりの良作RPG.
シナリオは自分の大好きな「よくわからない世界に主人公が大した説明もなく放置系」なのだけど、次第に明らかになっていく情報の見せ具合が本当に上手い。
キャラクター1人1人のエピソードを追ってるうちにぼんやりと世界の輪郭が浮かび上がっていくこの感覚は確かにイストワール。


難易度はキツいなりに絶妙。なかなか数値がインフレせずに5とか10とかいう単位でのHPMPのやり取りを楽しめるゲーム。
回復アイテムが店で売っておらず「空きビンに泉の水を詰める」というゼルダorキングスフィールド経験者が上機嫌になること確定の仕様。
当然ボス戦でも回復に使えるのは手持ちの空きビンの中の水だけ。裏を返せば空きビンの数だけ継戦能力が伸びていくのであちこち探索して宝箱を開けるのが楽しい。
エンカウントはもちろんシンボルで少し特殊。敵シンボルの一定距離まで近づくと画面の色が変わり、そこから一定時間内にまた近接した敵シンボルの数だけ敵が出る。
敵が雑魚いなら全員戦闘に巻き込んでもいいし、強いなら1体1体おびき出して倒すこともできる。同じ方向にいる敵はまとめて攻撃できるので、遭遇時の向きも重要。


あと装備システムがフリーダム。装備欄が「武器・防具・なんでも・なんでも・なんでも」で「ネズミの肉」みたいな換金アイテムまで装着できてしかも序盤ではそれなりに強い。
キャラクターには装備したアイテム毎の熟練度が設定されていて、どんなアイテムでも装備しているうちに使い慣れて強くなる。熟練度の上がる速度は結構早いし上限もあるので
「新しいアイテムを手に入れたけど熟練度が低いので古いアイテムを使い続けた方が得」という事態は避けられるようになっている。無茶に見えてバランス調整は絶妙、
ストーリーの見せ方も上々でマップの広さもちょうど良い程度という作者のRPG作成スキルの高さが伺える作品。「そういや最近フリーゲームやってなかったなー」って人に勧めたい。