すばらしきこのせかい



面白い。とても面白い。最高に面白い。ヒィッツよりも余裕で素晴らしい。
舞台はもうひとつの渋谷。通常の渋谷と重なっていて一般人が歩いてるのとか見えるんだけど
一般人の方からはゲームの参加者を認識できない。たとえ目の前で死んでいても気付かない。
特殊なステッカーが貼られている飯屋とか服屋とかデパートの中でのみ参加者は実体化して買い物ができる。
買えるのはあくまで普通の服や食事。だけどサイキックなバトルで重要なのはテンションだったり心の力だったりするので
流行のブランドで身を固めたり美味しい物を食べることによって戦闘がより有利に運べたりする。


ちなみにお洒落するには「勇気」のパラメーターが必要なのだけど、初期状態の主人公の勇気が15くらいでデザイナー志望なヒロインのそれは115。
前者はもう400円台で売ってるTシャツくらいしか着れないレベル。他人の存在を疎ましいと思っている人だからファッションにも興味がない。
これはキャラ設定をゲーム的なパラメーターで表現する例として教科書に載せるべきだと思う。で、服やアクセサリーに設定されている
「brave(必要勇気)」は男物だと最高で60、女物だと130くらい。つまりヒロインは初期状態で全ての男物を着れるということで昔西尾維新
どこかのインタビューで言っていた「女キャラはスカートもズボンも履けるけど男はそういうの無理」というのをふと思い出した。
あとDENGEKI:RePlayの記事によれば主人公も勇気を100超えまで鍛えればゴスロリとか着れるとのこと。皆で温かく見守ろう。


ショップの店員さんには1人1人に全身絵と表情と声と名前と友好度が設定されていて、並んだ商品の上でカーソルを移動させると反応を返してくれる。
話し掛けてきたり冷やかしかと内心で訝ったり、それを選ぶとはお目が高いと着こなし(その服のアビリティ)を教えてくれたりする。
中でも最も印象に残ったのはこの台詞。


「サイズ、お出しできますよ」


渋谷だッ! 何という言霊か。見える、DSの中に渋谷が見える!
FF8のあたりからちらほら見受けられたスクウェアのオサレ路線がここでとうとう花開いたという感じ。
正直、今まではFFとかのゲームキャラがお洒落してても別に何も感じないというか個性のひとつくらいにしか思ってなかったけど、
今回は舞台が現代の渋谷でお洒落するほど強くなるゲームという事でそういうセンスをメインに押し出すのがよりゲームを面白くすることに繋がって
加えて今まで「DSのスクエニに外れなし」と言われるまでに培ってきた開発ノウハウなんかもバッチリ使われているわけで、
色々な方向のベクトルが統合された結果もの凄いエネルギーを得たゲームだと感じた。DSでのスクエニはこのゲームをもって一つの完成を見たと思う。


いや本当、ここまで欠点が見当たらなくて面白いトコばっかりのゲームは珍しい。
今6日目だけど一昨日はヒロインが渋谷の雑踏の真ん中で
「どうせ他の人には見えないから」 「男の子だからパンツ出してもいいでしょ」というドラAA理屈で主人公のズボンを無理矢理脱がしてたし、
主人公は主人公で服なんてどうでもいいとか言いつつ戦闘のために必要だからと必死に勇気を上げたり服屋通いしたり
流行のブランドを調べたり店員さんのトークに釣られて思わず衝動買いしたりしているので皆で温かく見守ろう。