すばらしきこのせかい



面白い。とても面白い。無性に面白い。マニゴルドさんと同じくらいに素晴らしい。
スクウェアペルソナ3を作ったらこうなりました、って感じ。ムービーや音楽での演出が無性にそれっぽい。
DSなのにBGMは戦闘中も移動中も英語のボーカル入りでノリノリだし、キャラはここぞという時に声出してくれるし、それでいてロード時間はゼロ。
ストーリーはボーイミーツガール風味の仮面ライダー龍騎。舞台は渋谷。周囲を鬱陶しく思っている自己中心的な少年が
突如命掛けの理不尽なゲームに巻き込まれて同じ参加者の女の子と契約してパートナーを組んで戦っていくという感じ。


戦闘システムは上下画面を活用したA・RPG。「敵は平行世界にも存在してるから同時に叩かなきゃ」みたいな理論でヒロインとのタッグバトル。
敵は上下で同じ奴がいてHPを共有してる。下画面ではタッチペンで主人公を動かして敵の攻撃避けつつ、やはりタッチペンで大神風に反撃。
上画面のヒロインはボタンか十字キーで攻撃のみを操作できる。音ゲー風に「→→→→」みたいなコマンドが数種類出てそれぞれが攻撃方法に対応してる。
雑魚戦は今のところ大体30秒くらいで終わる。短いけど上下画面を両方意識して操作するので体感時間はかなり濃厚。
その上タイムとか残り体力がきっちり評価されてドロップ品に影響するので効率的な戦法を意識する必要があるし、きっちり考えて動けばその分だけ
明確に上達が見えるシステムなのでぶっちゃけかなり戦闘が楽しい。エンカウントも完全任意で好きな時だけ戦えるのがまた良い感じ。
敵が強すぎたら難易度下げればいいし、レベルが上がり過ぎた場合も好きなレベルまで下げたり戻したりできる。低レベルだともらえる物が良くなったりする。


シナリオの方もなかなか期待できそう。
「世界は自分一人でいい」とか冒頭で言ってた主人公が最初に手に入れる力が「他人の心の声を聞く」だし。書き手は良いセンスしてると思う。
そんな主人公がゲーム進むにつれ「あの人とはまた話したい気がする……」だの言い出したりするのでツンデレ少年スキーは温かい目で見守ろう。
あと「参加者同士は心が読めない」って設定があるんだけど、雑踏の中で能力使ってみると半数くらいの人に読み取れないエフェクトが出ていて
「こんなに参加者いるのかよ!」って気分にさせてくれるのは設定のゲーム内演出と労力の節約とを同時に達成しているという意味で感心した。


個人的に画期的だと思ったのは
「『つづきから』を選んだ時、電源を切っていた時間に比例したBP(アビリティポイントみたいな物)がもらえる」
「パラメーターアップに必要な食物を摂るための満腹度はリアル時間で1日経たないとリセットされない」
「移動中、画面右上に現在時刻が表示される」
というシステム。どれもあまり長時間ゲームを遊べない社会人ゲーマーへの配慮が見られる。プレイヤーが長時間ゲーム漬けになるのを抑制する効果もある。
長年RPGを作ってきた業界大手のスクウェアが最新作にこういうのを仕込んできた、というのは特筆すべき事項だと思う。大げさでなく、未来のゲームを垣間見た気分。