有頂天家族:森見登美彦 幻冬舎



森見登美彦の最高傑作。
今までの作品は面白おかしい京都的日常生活と温い恋愛で構成されていてそれはそれで面白かったのだけど刺激が足りなかった。
今作は謎やカタルシスを盛り込むことでその欠点を克服した一大エンターティメント作品。おそらく森見作品の中で最も映像化に向いている話。
ジブリあたりにアニメ化して欲しいけど他の作品と微妙に被るから絶対ありえないのが残念。


あとヒロインの元許婚がツンデレ。超ツンデレ
というか常にツンしながらデレてる。どういう事なのかは読めばわかる。プラスとマイナスが同値ならば足しても掛けても0以下であるはずなのにというか
むしろ数式より二重の極みで例えた方が近いのかも。本当にツンデレ同時。狸である事を最大限に活かした設定。人間だとこのキャラ付けはまず不可能。
西尾維新あたりならできそうだけれど、どうやったって不自然になるし何よりイラストの人が大変困る。
恋愛関係の成就を目指すのではなく終始ツンデレというのも作者の新境地を表してるような。ともあれ第二部が無性に楽しみ。