バッカーノ! 2002 【A side】Bullet Garden:成田良悟 電撃文庫



列車強盗な1931の再現事件。今度は豪華客船だ!
あのエピソードは漫画やらアニメやらDS文庫やらでさんざんリメイクされてるので
多分見ているうちに原作者本人もやってみたくなったんだろうと邪推してみたり。


年代的には2001の1年後なのですがその間にバッカーノだけで7作挟まってるおかげで
含まれている情報量が段違いに増えているという印象がありますな。
不死者じゃない面子の子孫がばっちり出張ってるくだりで作中の時間経過を上手く演出できてますし
フィーロとかチェスとか、旧作の登場人物がとても良い感じに歳食ってると思うのですよ。
特にチェス君はアニメ版から入った人が驚くほどの白さ。バファリンの半分はチェス君で出来てます。ってか今思いついたんですけどこのシリーズ、
未読なら既刊全部をランダム順で読むというのもアリではないでしょうか。例えば2002読んでから1931とか。既に両方読んだ身としては
とんでもない贅沢に思えるのですよ。チェス黒ー!? とか驚きたいのですよ。誰か読んだ本の記憶を1冊単位で消せる発明しないですかねえ。


しかし改めて考えるとよく出来た舞台設定です。
2004とか書いた後に1929書いて「実はこの時期にこういうキャラがいたんだぜ」みたいな事も出来るわけですから。
星矢のエピGや冥王神話でやってるみたいな、俗に言う後付け伏線を作者自ら好きなタイミングで張り放題だという。
どちらかというとノリ重視っぽい彼の作風にピッタリな、書きたい物を自由に書ける世界を自ら構築したのですな。