バテンカイトス 終わらない翼と失われた海



メインストーリーから村人の台詞に至るまでのテキストがいちいち秀逸で
くふう、と古野まほろ調の感嘆詞を漏らしてみたり。おいしいですこのRPG
ガチャみたいなACTだとストーリーは余計だと言えるかもしれませんけど、やっぱりRPGの華はテキストに演出、
そしてそれらが織りなす物語だと思うのですよ。


劇中の選択肢は「○○(プレイヤー)、どうする?」という形。
ここで注意すべきは主人公が精霊(=プレイヤー)の存在を意識しているということ。直接操れるわけじゃない。
変な答えや主人公の意にそぐわない選択肢を選ぶと関係が悪化してしまい、何かしらのペナルティが与えられることがごく早い段階で示唆される。
だけど導き手としては嫌われるようなことでもあえて言ってやるべき局面もあるわけで。


マグナス。物体の本質をカードに封入し、また任意に取り出す技術。
主人公たちがアイテムを無限に持ち歩けるという、システム的な仕様への物語的な理由付け。
戦闘中、攻撃・回復・補助・必殺技・逃走などの行動は全てマグナスで行われる。決め台詞専用のマグナスなんて代物もある。
本人のレベルにもよるが、手札に攻撃用のマグナス(剣・銃・竹槍・楽器・黒くなったバナナ等)が3枚あれば3Hitの攻撃ができる。
逆に相手の3Hitを全てガードするには防御用のマグナス(盾・鎧・彫刻・花・ご飯釜等)が3枚必要になる。


戦闘では資金がいっさい手に入らず、マグナスの売値は定価の100分の1。
ではどうやって装備代その他諸々の軍資金を捻出するかというと、戦闘中「カメラ」のマグナスを使って敵の写真を撮り、それを売る。
ボスのはやたらと高く売れる。地味に光量とかの隠しパラメーターがあるらしく、光系の魔法ばっかり使ってると白くぼやけて売値が下がったりする。
カメラは攻撃用のマグナスとして使う。ゆえにこのゲームの戦闘では「斬撃→撮影→決め台詞→傷んだバナナ攻撃→必殺技」のコンボでボスが死ぬという
カオスな状況が多々発生しうる。というかマグナスも撮影による資金調達システムも、全てこのカオスを演出したいがための仕様なのかもしれない。