神様のメモ帳2:杉井光 電撃文庫



超常現象も学園も入ってない純現代モノ。
それも特に強いわけでもない高校生の主人公がヤクザ絡みのゴタゴタに巻き込まれたり
サブヒロインが日本語の怪しいタイ人だったりする本格派。電撃でこれを書こうとしたのはある意味評価できるかと。
主役側の人間がほぼ全員ニートなのは、物語に関わる動機付けのためかと。普通の人間はこんな危ない橋渡ってまで人助けをしようとはしない。
けどニート探偵のアリスは贖罪意識の塊で世の中に救われない人がいるのは全て自分が無力なせいだと考えていて、その周りには
時間と暇と技術を持て余して何をしていいのかわからず、かつアリスに萌えた連中が集まっているわけで。
超常現象は絡んでないけど現実にはまず有り得ない救済システム、それを構築するためにニートというキャラ設定は必要不可欠だったんだなと。
これが最終巻でも納得のいくラストでしたけど、少なくとも火目の巫女よりは代替不可能度が高いと思われる作品なので、これからも書き続けて欲しいところ。