イエロースプリンガー



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ライトノベル作家平坂読RPGツクールで制作した作品。
総勢数十人の平坂キャラがひたすら謎の塔を登り続けるゲーム。


ゲームの肝はランダム要素を一切排除した戦闘。
100%逃走可能、不意打ち及びクリティカルの概念無し。同じシンボルから出るのは同じ敵。
ダメージ数値のバラつきも無し。属性を突かない限り同じ技はずっと同じダメージ。
状態異常は100%効くか効かないか。眠らないキャラは何をどうやっても眠らない。
体力・状態異常は戦闘終了時に全回復。特殊攻撃用のSPは毎ターン増えていく仕組み。
そして最大の特徴として、レベルが上がってもHPは増えないし技の威力も変わらない。
ただ使える技が10レベルごとに増えていくだけ。


以上の要素から、戦闘で要求されるのは戦略のみ。
数十人いるキャラクター(初期状態は4人。各階ごとに約1名のペースで加入する)からどの4人を前に出すか。
回復役は必要か。状態異常は通じるか。こいつらには通常攻撃が効かない。
こいつはHP低いけど確か斬耐性あったはず。どういう局面で使えばいいんだこんな技。
色々悩んで考えて挑む。死にそうになったら逃げてやり直し。場合によってはレベル上げ。
プレイヤーが楽しく試行錯誤できるようにバランスが練られてる。
テキストもほとんど無く、今どき珍しいシステム特化型のRPG.


まあぶっちゃけ平坂作品のキャラしか出ないので、知らないと楽しむのは難しい。
逆に知っているというかむしろファントム含めた既刊読んでますという人ならまず確実に大喜びできるかと。
「堕ちない林檎来たあ!」 「ストロベリーフィールド来たあ!」
アダルトチルドレン来たあ!」 「ダイヤモンドフォース来たあ!」
「2巻のバスガイドさん来たあ!」「今どきバンプはどうかと思うんだー!」みたいな感じで。


戦略性とは全く反するのですが、好きだからあえて役立たずのキャラを戦線投入するという楽しさもありまして。
このゲーム、役立たずというのは弱いという意味じゃなくて字義通りの意味で使えません。
何せデビュー作主人公の初期技が『殴る』とか『蹴る』じゃなくて『自分を騙す(自分のSP増加)』ですし、
最新作主人公の初期技は『現実逃避(効果なし)』で次の技が『世界にツンデレる(自分に精神系ステータス異常全防御)』)です。
戦闘に全く貢献しやがりませんこの主人公ども。


何もしないならまだマシな方で他にも自分にダメージだの味方全員ステータス異常だのろくな初期技持ってない奴らが大勢いるのですが
そういうキャラでもレベル10ごとに技を1つ覚えるわけで、もしかしたら育てると化ける可能性もあるんじゃないかと思うし
ぶっちゃけ化けなくてもそれはそれで、というわけで今日もうちの伊呂波先輩は仲間が戦ってる横で現実逃避をしています。最近ダーツ投げで遊ぶことを覚えました。


ある意味とても斬新なキャラゲーだと思うんです。
スパロボとかだと自分の好きなキャラが性能低かったら面白くないでしょうけど、
このゲームでは「役立たず」が「原作再現」ですから。
「墓穴掘り人形は銃持ってても直接戦闘だとダメダメだなあ」とか「シズはポーカーフェイスで毒薬撒いてりゃいいよもう」とか。
作者自ら手がけたゲームだけあってその辺りの機微が非常に絶妙ですよ本当。