モノケロスの魔杖は穿つ:伊都工平 MF文庫J



・前回までのあらすじ
デビュー作である魔法ドリル親子小説「第61魔法分隊」が大団円で終了。
満を持しての近未来重力大回転娘小説「天槍の下のバシレイス」は2巻発売から既に丸2年が経過。
だがドリル眼鏡っ娘作家、伊都工平は滅んではいなかった!


というわけで今作のテーマは部活動。
物理的・魔術的に分断された日本(ただし国民は気付いてない)で王の資格を持った主人公が
その力のせいでトラブルに巻き込まれるも成り行きで入った部の魔術師に助けられて国を興す話。
国作りの条件や魔術のルールが世界観に密接して作りこんであるので設定好きな人にはたまらないかと。
加えてMF文庫J補正で既刊より若干萌え要素が多くなってます。伊都氏はどちらかといえば萌えよりも
魔法の杖の設定やドリルを書いてる方が好きっぽいのですが、そうした人が恐らく編集さんに勧められて
描いたであろう萌え描写は何といいますか、世間一般の萌えキャラとはややピントがズレてるかもしれませんが
出来自体はとても新鮮でした。あとラノベにしては地の文が多い割に肝心な部分の描写があっさり流されて
いたりもしますが、自分としてはキャラクターに「騎士」だの「魔術師」だの「司祭」だのといった世界観上の役割というか
肩書きがついてるだけで嬉しくて細かいところは許せたり。ドラクエのアニメの次回予告でキャラのステータスが
ゲーム風に表示されてるのを毎週観るのがとても楽しみだったのですけど、あれに近い感覚を味わえました。2巻が楽しみです。