MOMENT:本多孝好 集英社



1つの病院を舞台に、謎の仕事人が死にかけた人の望みを叶える話。全4話の連作中篇。
こっちの人が褒めてたので読んでみた。


とりあえず面白い事は間違いなくてそれをどう表現しようか悩む。
大学生の主人公が自分の進路に悩みつつ他者と関わって成長していく姿は見てて応援したくなるし、
周囲のキャラの人物描写もしっかりしてるし、話は毎回ミステリー入っててしっかりオチがついてるし、
男っぽく見える事を気にしてるっぽい幼馴染はあからさまな萌え描写が無いのに普通に萌えるし。
あえて言うなら、米澤穂信さんからライトノベル分を小さじ1杯引いて、同じだけ文学分を足した感じの作風。


それにとにかく読みやすかった。つっかえるほど濃くもなく、読み飛ばすほど薄くもなく、そのくせ山場ではしっかり盛り上がる。
本を美味しいと感じる気持ちがわかった気がする。これは文学少女の前に置いておいてはいけない本だ。