ネットゲームを物語の題材とする事について



以前書いたネトゲ物の小説が少ない理由の続きのようなもの。


長所

  • ゲームが大好きな自分のような読者が大喜びする。

短所

  • どんなに強くて格好良いキャラを出しても、リアルでは廃人だと思われてしまう。
  • 緊迫感を出せる演出が限られる。ゲームだから何が起こっても取り返しがつくように出来ている。
    • 「たかがネットゲームじゃん」は一種の真理。でもそれを言ってはおしまい。匂坂は反論できないから怒るしかなかった。
    • ゲーム内で何が起こってもリアルで失う物は何も無い。
      • そもそも前提として、ネトゲは遊びでやるもの。本気になるのはみっともない。

解決策

  • 『ログアウトできなくなる』
  • 『ゲーム内での戦闘不能がリアルの死or意識不明に直結する』
    • この2つは有効だけど、使い古された感がある。あとゲームを楽しい物として描けなくなる。
  • 『リアルマネーが関わってる』
    • 『アヴァロン』はこのパターン。戦績に応じた賞金が払い戻される。アイテム購入にも金が必要。
    • ゲームの構造に関わる話なので、現在日本で想定される普通のネットゲームでやるのは難しい。
      • 普通に楽しみたい一般プレイヤーにとってRMTは共感し難い。狩場とか荒らされて迷惑だし。
        • 何十人も雇ってレアアイテムをゲットして生計立てる主人公。社会派小説としては意外と受ける設定かもしれないけれど。
  • 『ネットゲームっぽい設定の異世界を舞台にする』
    • これについては長くなるのでまた今度。

現実と絡めなければ駄目なのかと思ったりもする。
普通のネットゲームを舞台として、起こる出来事は全てゲームの仕様内。
それでも面白い作品を、いつか読んでみたい。


『知り合いが嫌がらせを受けている』 『PKされて身包み剥がされる』
『レアアイテムをゲットする』 『ギルド間の戦争イベントで勝利する』 『レベルアップして新しいスキルを覚える』


まあ上で書いた問題点がモロに出てくる訳だけど。「たかがネットゲームじゃん」
リアルでは何の特にもならない遊びに、読者をいかに感情移入させるか。
「ゲーム好きが読んで楽しめればいい」と言うのは何だか負けな気がするし。