ファインマンさんは超天才

  • 彼の友人である科学者の言
「ところが魔術師の連中はまったく違う。あの連中は数学の言葉で言うなら、
 われわれのいる空間の直交補空間にいるのだ。だから彼らの頭脳の働きなど
 事実上理解できっこない」

「リチャード・ファインマンは最高級の魔術師である」
  • 死別した妻へ宛てた手紙の末文
この手紙は出さないけど、許してくれるだろ?
君の新しい住所を知らないんだから。

物理学者、リチャード・ファインマン氏についての伝記とエッセイの中間のような本。
氏についての本は10冊近く出てるのだけど、初めて読むなら多分これがベスト。
本人の言葉だけじゃなく、友人や同僚、妻や妹とか、氏の身近な人たちのコメントが交互に入ってて、
それがファインマンという人物をあらゆる面から立体的に生き生きと描き出してる。
単純に科学者として優秀というだけじゃなく、いつも笑顔でとびっきりのイタズラ好きで頭の回転が早くて何にでも手を出して
誰からも慕われるような人。楽しく面白く好きなように生きて、周りに幸せを振りまいてた人だというのが伝わってくる。


前にも書いたかもしれないけど、理系離れを解決したいのなら文部科学省は一刻も早くこの人についての本を課題図書にするべき。
文系志望者が一斉に理転するとまではいかなくとも、物理数学を始めとする理系科目に対する抵抗感は確実に減るだろうから。