夏期限定トロピカルパフェ事件



米澤穂信氏の新刊。相変わらず神掛かった面白さ。
気まぐれで『氷菓』買ってなかったら今でもこの人を知らなかったんだなあ、と思うとゾッとする。


本屋3件回ってようやく発見。電撃スレの売り上げランキング見て初めて発売に気付いたのは
我ながらどうかと思った。作者スレも巡回しておくべきだったか。


第一章からいきなり飛ばしてました。ヒロイン相手に夜神月級のドキドキ頭脳戦。
バレたら絶対小佐内さんに殺されるから止めとけ、と主人公を本気で心配した春の夕暮れ。
本の文章から思わず目を背けたのは久しぶりです。あの一連のシーンは心臓に悪すぎ。


このシリーズは春夏秋冬の四部構成になる模様。
話が中盤を越えて、物語が大きく動き出してます。果たして作者はこの風呂敷をどう畳むのか。
先が読めない展開、というのは面白いです。たとえ大筋の予測は出来ても、描写次第で印象は全く違ってくるでしょうし。


とりあえず小鳩と小佐内さんは『サマー・タイム・トラベラー』の世界に行けば気楽に過ごせそう。
あの高校で主人公たちの影に隠れてれば十分『小市民』で通用する。


小佐内さんもある意味次世代型ヒロインだよなあ、と思ったり。
既存のラノベでは見た事なく、かつ恐ろしいポテンシャルを秘めた萌えキャラ。
無口系とも狡猾系ともロリ系とも腹黒系とも違う。あえて言うなら『小佐内さん系』としか。


というか、作者の人物描写力が極まると大抵のキャラは既存のカテゴリーに当てはまらない
萌えキャラになる気がする。魅力的な人格は萌えを内包するって感じで。


あと、ライトノベル板の作者スレが良い感じに盛り上がってます。皆凄く楽しそう。
読了後に行ってみるとあれこれ楽しめるかと。