永遠のフローズンチョコレート



ファミ通文庫2月、扇智史氏の新刊。チョコレート色のシンプルな背景に眼鏡っ娘な表紙イラスト見て買ってきた。
舞台は現代。思いっきり現代。登場人物もごく普通の高校生で別に事件に巻き込まれたりはしない。ひたすら日常。
真・三国無双やってたり、ストラップがトロだったり、ブックオフモスバーガー行ったり、チョコ作ったり普通にデートしたり。
良くも悪くも高校生の日常と心理描写に特化した構成。一般的な意味での燃えや萌えとはあまり縁の無い小説。
読んでて感情が極端に振れることはなかったけど、かと言って地雷かというとそれは絶対違う。この本にしかない面白さは確かに存在する。
最近またライトノベルのレーベル増えて毎月何十冊も新刊出てるし、こういうのが1冊くらいあってもいいかなー、とは思った。


あと一部においしい小ネタが。至高にして究極のライトノベルな『さよならトロイメライ』の小ネタとはまた違う。
あっちの小ネタは8割方藤倉の一人称の地の文で語られるのだけど、こっちのは登場人物の台詞に入ってて、
それが単なるネタに終わらずキャラの心情やストーリーを表現する手段として使われてる感じ。
不死の酒とか不死者とかマイスタージンガーとか白いワンピースで黒猫連れた死神とかニンテンドックスとか。
ライトノベルやゲームのネタが一般知識として通じてる光景は読んでて心地良かった。
あの調子で電撃に限らず主なレーベル全部の作品をネタにしてくれたら個人的に神だったのだけど。


やって欲しかったネタ:角川編
・鬱入った理系眼鏡
・トレンチコートの高校生私立探偵
・聖女兼魔王候補
・平磐のキュートな撲殺魔
・吸血鬼の血を吸う吸血鬼
・暗黒の島の領主
・一人称が「わたい」の真音魔術師


やって欲しかったネタ:富士ミス
・温度を上げる能力を持つハイテンション高校生
・ろくに学校行ってない帝大生
・マガイモノが集まる図書館の館長代理
・あるはずのない13階に住む恋愛に向いてない人
・推理ではなく探偵する浪漫な人
・犯人とバトルする格闘家探偵


やって欲しかったネタ:富士見ファンタジア編
・超古代の遺産騒動に巻き込まれた高校生
・変身ヒーローになって孤独の中で戦う高校生
・変身ヒーローになって組織の中で戦う高校生
・地上にばら撒かれた宝貝を回収する仙人
・巨大学園で初恋成就のために頑張る新入生
・触れた物を剣にしてどこまでも遠くへ行く人たち
水上バイクを自在に操る巫女
・レッツカンフーなファイター
・十八番街の居酒屋で働く魔法使いの青年