夏への扉



ロバート・A・ハインライン氏による結構有名な小説。言及されてる全ての場所で例外なく神扱いされてるので読んでみた。
訳者後書きにもあるように、SFとして特に目新しいギミックが使われてるわけではないけど、それでもこれは確かにいい。
夏への扉を探す猫の描写で浮かんでくる情景が美しい。綺麗、ではなく美しい。
華美な表現が使われてるわけでなく、そこに至るまでの流れと相まって構成された感情。文章でこんなことができるなんて。
あと猫萌え。海外小説にありがちな最初の献辞が『〜ほか、世のなべての猫好きにこの本を捧げる』という完全無欠の猫萌え小説。
ただでさえ面白い話なのだけど、猫に少しでも好意を持ってる人ならなおさら楽しめるかと。
主人公と猫語で意思疎通するピートの萌え具合はそんじょそこらで濫造されてるネコミミっ娘を圧倒的に上回っていると思います。あんたは上を、ぼくは下を!