小説家、ろくごまるに氏の下巻



ひゃっほう。
ゲームをしよう。何、簡単なものだ。
今から俺が言う物体を頭の中で想像してくれればいい。情報は小出しにしていくが、やがては一つの物体になる。
その物体を想像できれば、あんたの勝ち。まあ、勝ち負けにあんまり意味はないが。
では。


1. 真新しい文庫本
想像できただろうか?


2. その本の表紙を占める大きなイラスト。3分の1ほどは帯に隠されている


3. イラストには3人の人物がいる


4. 1人は棍を持った銀髪の男である


5. そのすぐ傍に、ヒロインとおぼしき白い道服姿の少女がいる


6. 前髪を透かして見えるその眉毛は異様に太い


7. せっかくだからネタバレしてしまえ。最初の一行だけを書き出してみよう


『終極へ到る為の幾つかの序曲』


おっと。ゲームは中断だ。間違って上巻を持ってきたらしい。新刊が俺を呼んでいる。