リネージュⅡ 解放されし者



手塚一郎氏の最新作にして、ファミ通文庫で発売された同名ゲームのノベライズ。「ワードナの逆襲」と「アランドラ」が面白かったので買ってきた。
何というか、ゲーム好きの心をくすぐる小説だと思う。話の中心は原作であるMMORPGのボス戦。
100人単位のPCが壁役攻撃役回復役補助役囮役と役割分担して立ち向かっていく様子が既にネトゲ的。
頻出するスキルに職業名、戦闘前に乱れ飛ぶ補助魔法、回復役にMP供給する支援部隊、
ひたすら敵愾心調整して攻撃を一手に引き受ける壁役の騎士部隊、移動速度を活かしてボスを引きずり回しつつ遠距離攻撃撃ち込む弓手部隊、
防御力捨てたステータス重視の装備に身を包み、前線でひたすら消費アイテム作り続ける生産職部隊。
やたらゲーム要素が強いせいで、読んでるだけで原作をプレイしてるような気分になれる名作。
そしてただ単にゲームらしさを散りばめてるだけの本では決してなく、文章やストーリーはかなりの骨太。
キャラの個性付けにそれぞれに背負ったストーリーと相互交流は、ぶっちゃけ、ボス戦無くても十分に話として成り立つくらいに魅力的。
原作プレイしてる人やMMORPGが好きな人には特にお勧め。読んでて凄く楽しかった。