DarkEyes



電撃PlayStationで魔王氏が面白いと言ってたのでやってみた2Dネットゲーム。発売されたのが1999年2月で自分の初MMORPG.
舞台は巨大山脈シャットレンジで二分割された惑星。星の両側に住み、それぞれ独自の進化を遂げた2つの種族の物語。
緑豊かな地方に住む戦士系のオーガルと過酷な環境に適応した魔法使い系のインファン。自分がプレイしたのは前者。
今の基準からするとありえないほどにシステム面が大雑把な仕様だったというか未完成だったのだけど、それでも楽しかった。
街歩いてて初めて人に話しかけられた時のドキドキ感とか。キーボードも使い慣れてなかったからチャットも片言だったし。
不安定なサーバーが織り成すラグナロク以上の回線切断率。戦闘中に落ちると為す術もなく死亡確定。デスペナルティ無かったのが救い。
戦闘で面白かったのは向きの概念。攻撃する方向によってダメージが変化するという魔装機神とかFFTとかリアルロボット戦線みたいなルールがあった。
ぶっちゃけ、ラグが激しいし敵もこっちと同じ速度で動くので素早く回り込んで背面攻撃とかそういうのは困難だったのだけど、
敵の動きを止めるスキルとか、移動速度が遅くなる状態異常とか、そういうのが大量に実装されてれば戦略の幅が一気に広がったと思う。


そして生産要素。オーガルの得意分野は栽培にペット育成。インファンは装備加工に発掘。
MMO初体験でアトリエとかも未プレイだった当時の自分にとっては「自らの手でアイテム作れる」というのが途方も無く魅力的で
とりあえず必死で金貯めて栽培スキル教えてもらって種まいてた。芽が出て枝が出て木になって、初めて傷薬が収穫できた時は本当に嬉しかった。
種とまく場所によって収穫物が変わるのも面白かった。岩陰とか水辺とか、終いにはダンジョン内で敵と戦いつつあちこちに植えてみたり。
そのうち加工もやってみたくなったので、インファンでスキル教えてもらうべく巨大山脈越えをしてみる事に。向こう側に抜けるには最短距離走っても2〜30分かかるし、
道に迷ってうっかり地底の方に行ってしまうと滅茶苦茶強い敵が出て瞬殺されるので、道知ってる人に案内してもらうのが楽。
大抵は入り口に山脈横断ツアーみたいな感じで参加者募ってる人がいて頼めば連れてってもらえた。
たまに途中でラグで止まって行方不明になる人がいるのはご愛嬌。自分は無事に向こう側に到達。
セーブポイントである祠にも登録。これでいつ死んでも山脈の向こう側で復活できる。
それでまあ色々あって向こうの言葉を覚えてようやく加工スキルを習得。材料を組み合わせて作るらしい。
ゲーム中には全く手がかりが無かったので、ネットで組み合わせのレシピを探してみた。
「スタッフ+石炭+石炭+石炭=ファーメタル」 確かファーメタルの売値が1500で、材料費が100以下。
この材料は大抵どこの店でも買えたりする。つまり加工スキルさえ覚えればレベル1から無限に荒稼ぎが可能。
昔は気付かなかったけど、正直、金銭価値はそうとうアレだったと思う。インフレどころの騒ぎじゃない。
あと武器防具関係の加工もかなり適当だった。「剣+最弱の剣=元の剣より一段階上の剣」
店でレベル1の剣を50本買って全部組み合わせればレベル50の剣ができた。マジで。
さすがにバージョンアップで加工方法が丸ごと修正されて貴重な材料が色々必要になったけど、
その頃には既に高レベル装備が山ほど出回ってたわけで。


あとオーガルとインファンは基本的に戦争状態という設定だったのでPKは日常茶飯事。
テレホタイムが始まると人が集まる場所は乱戦状態。首都だと店の中ですら油断できない。
でもやっぱりPC同士の戦闘は楽しかった。死んでも大したペナルティは無かったし。
ある程度レベル上げて強くなって、初めて他のPCを倒せた時は結構感動した。
しかしPK制度があるゲームだと遠距離攻撃の扱いがデリケートだと思う。
数人掛かりで魔法攻撃されたら近距離攻撃メインのオーガルPCは近づく事すらできない。
名作ネトゲ小説の"Sword Art Online"では武器が剣だけで遠距離攻撃がないけど、あれは正解だと思った。
実際のネトゲではこの問題をどう解決してるんだろう。確か信長は距離の概念が少ないんだったっけ。
UOとかだと「大勢で飛び道具使われたら死んで当たり前」みたいな感じで特に調整はしてないっぽい。
近距離攻撃にも何らかのアドバンテージが欲しい所。接近すれば遠距離PCを一撃で倒せるくらいの圧倒的な攻撃力とか。


何故か電撃文庫からノベライズまで発売されてた。今でも古本屋で普通に手に入る。ゲームとはほとんど関係ない内容だったけど。
というかゲーム自体にあんまりシナリオが無かったから、半ばオリジナルになるのは仕方が無かったのかも。
作者は電撃hpで「空飛ぶ皇帝ペンギン」を連載してた祭紀りゅーじ氏。あの人結構古株。


シャットレンジ山脈の地下深くにいる強敵に「スザク」とか「ビャッコ」とかそういう四天王系がいたのだけど、
グラフィックは全部同じだった。下半身がカニで上半身が槍持った人間。
というかあのグラフィックは他にも中小合わせて10体以上のボスに使いまわされてた覚えが。
食べるとHPの減るドリル弁当が面白かった。弁当の中にドリルが入ってる。もはや弁当じゃねえ。ドリルを避けて食えばいいのに。
大幅バージョンアップされて装備の耐久度が設定されて加工システムが一新されて高レベルPC用の新ダンジョンも追加されたのはいいけど、
装備が壊れるようになって経験値とか稼ぎづらくなって、なおかつレベルアップに必要な経験値まで高くなったので、潮時だと思って止めたのだった。
思い起こすと色々欠点はあったけど、当時の自分にとっては本当に楽しいネットゲームだった。
というか、今検索したら公式ページがそのまま残ってた。懐かしすぎ。