ボーイソプラノ



吉川良太郎氏の2作目。これで単行本化してる氏の作品は全部。
主人公は前作に出てきた探偵。小説に出てくるようなハードボイルドな探偵からちょい現実側にズレてる人。
お話のように物凄くタフでクールというわけではないけれど、その不完全さが逆に格好良さを醸し出してると思う。
あと私立探偵を騎士に例える表現の元ネタがチャンドラーだというのを初めて知った。
自分の大好きな麻生俊平氏の作品「無理は承知で私立探偵」で高校生私立探偵の主人公がしょっちゅう
「汚れた街を一人往く現代の騎士」という表現を使ってたのだけど、元ネタがわかってすっきりした。
手の中で胡桃を弄ぶナイフ使いや薬で身を持ち崩したボクサーの元ネタもいつか読んでみたい。