スラムオンライン



桜坂洋氏がハヤカワ文庫で書いた作品。オンラインという単語に惹かれて買ってきた。
こういうネトゲ系小説が好きなら読む価値あり。面白い。
ゲームはTVでプレイするタイプの3D格ゲーで、主人公は現実生活もきっちりやってる大学生。
ログアウトできなくなる、とかそういうのではないのだけど、ネットゲームに特有の空気みたいなのはきっちり伝わってくる。
廃人スレスレな主人公視点の描写がなかなか秀逸。ああいう感じに世界を見ることができたら少し楽しそう。


toi8氏のイラストも良い感じ。何というか、曖昧な現実感が素晴らしい。
他に自分が知ってる氏の仕事は講談社化野燐氏が出した「蟲猫」の挿絵とファウスト5巻の
奇妙な平行世界の漫画の作画、それにMF文庫の小説版「アヴァロン」のイラスト。
どれも作品世界にきっちり合ってる。こういう独自の作風を持ってる絵師さんは貴重だと思う。