ミスマルカ興国物語2:林トモアキ 角川スニーカー文庫



林トモアキが売れてるだなんて嘘だそんな事ー!?(あとがきを読みながら)
ああまさか「注目されるようになったのは嬉しいけど、昔からのファンとしてはちょっと寂しいよね」という思い上がり全開の思考をこの作者でする日が来ようとは!
スニーカーと言えば看板であるハルヒの新刊もいつ出るかわからないし、この勢いで売り上げ伸びれば「お・り・が・み」かマスラヲあたりがアニメ化される可能性も
決して低くはなく未来は明るいので皆読むと良いと思います。


内容としては前巻もそうだったんだけど主人公のマヒロ王子の蛇っぷりというか性格の使い分け具合が気に入ってます。
「普段はバカ→イザという時には優しく聡明。暴力なんて使わずとも人は分かり合えます!→実は夜神月ばりの策謀家。暴力? たとえ勇者でもあんなの使うのは馬鹿ですよ」
という三段変形タイプ。「バカ→聡明」 「聡明→策謀家」の二段変形は結構あちこちで見ますけど、三段階に変形できる個人は稀少だと思うんです。
性格をコロコロ変えてみせるだけで一つのお話の中に見せ場を最低3つ仕込めるというリーズナブルなキャラ。しかしそれを使いこなすには作中に性格変換による
どんでん返しをきっちり仕込める力量が要るわけで、なかなかピーキーな設定なのです。
しかも多分4つ目があるんですよね、王子の性格。過去のパリエル絡みのエピソードを読む限り当時は普通の良い子みたいでしたし。あと力を封印されているわけで
彼は暴力という問題解決手段を採り得ないし採れるようになろうともしないわけですが、もし力を使えるようになって使うしかない状況に追い込まれたら彼の性格は
それを許容できるのか。できないのならどういう方向に変わってしまうのか。それは単なる四段階目に止まらずどんな形であれ成長と言えるのではないか。
というまあ本編とあんまり関係ない妄想混じりの展開予想で今日は締めようかと。いろいろ考えたくなったのです。書いてるうちに。