オーディンスフィア



「ええい黙れ不忠者め」←ツン
「わが愛しい娘よ」←デレ


「いつまで私を組み敷くつもりだ」←ツン
「あぁ……ひどい怪我……」←デレ


「だまれ竜の敵」←ツン
「お前の心根には感じ入るものがある」←デレ


「宝は誰にも渡さんぞ……」←ツン
「金を持っているのか」←デレ


一通りクリア。難易度最低でも無駄に手ごたえのあるラスボス戦でした。
事前の準備さえしっかりしておけばどうにでもなるんですけど。ペインキラーとかエリクサーとか。
5人目とか無駄に性能高いですし。ただ、強いのだけれど1人目にこの人出されても扱いに困るよねというかそんな感じで。
他の4人の長所を半分ずつ足し合わせたようなキャラなのですよ。5人目だからこそプレイヤーがその性能を完全に引き出せる。
それでは、完全ネタバレの感想をば。大丈夫な人だけ反転してくださいまし。
賛否両論ある終わり方でしょうね。災厄を全て止めたにも関わらず終焉は避けられない。
それどころか主人公たちの行動が回りまわって災厄の発生に一役買っているわけで。
終盤のマルチバッドEDシステムはマジ悲惨でした。特に灼熱編のオズワルドとガロン編のコルネリウス
獣編のメルセデスはまだ話的に綺麗だったので良し。というかメルセデスだけがオニキス倒せた理由が未だにわかりません。
スペックだけなら遥かに上であろうオズワルドでもアレだったのに。まあ初回特典のブックレットによるとシナリオの原型は
「ニーベルンゲンの指輪」だそうですし、個々人の実力よりも予言とかそういった運命的なものの方が力を持つ世界なのでしょうね。
しかし原型がそれと知ってあれこれ納得がいきましたよ。竜の血を浴びて強くなったとか、魔法のかかった黄金とか、
断片的に知ってるエピソードがちらほら出てましたので。ちょいと調べてみたところ、グウェンドリンとかオーダイン王にもきっちり
元になるキャラがいるそうで興味が出てきたので、今度原作を読んでみようと思います。
ああそれにしても世界滅ぼすことはなかったと思うのですよ特に自分の大好きだった魔王オーダインの最後が見てられなくて。
あの状況でバロール1つあったからってどうなるものでもないじゃん最後までヘタレですかこの魔王、と思いはしたものの、
よく考えればあれは冥界の女王オデットすらも恐れされていたわけで、おそらく死霊を相手にするのが本来の役割だったんだと思います。
知らぬとはいえメルセデスはなんて事をしたのかと。まあ知っていてもそうするしかなかったわけですけど。
そして遡ればそもそもの元凶であるバレンタイン王が狂ったのは若き日のオーダインが原因なわけで。運命ですなあ。
あとバレンタイン王のしでかした事は到底許せませんけど、いいキャラだとは思います。ベルべット編第5章のオーダインとの会話は
このゲームの名シーン10個選べと言われたら確実に入れますよ自分。残り9つは……そうですね、

  • ワルキューレは死を恐れない」
  • ベルベット編第3章のお爺様登場シーン
  • 「もとより愛は幻のようなもの」
  • 「あなたがいないとうまくやれない」
  • 「今すぐ俺を雷で撃て」
  • オニキス戦後のメルセデス
  • 「純潔の宝すら捨て去って!」
  • エリオン最後の大地に立つミリス
  • メルセデス編最終章の全て

終焉とメルセデスとお爺様とグウェンドリンしかないですけど、それは気にしない方向で。
「魔王のドワーフたちに負けないものを作れと」はマジで燃えましたよ。ミリスはミリスで絶望的なバットエンドのお手本でしたし。
あ、追加でマルチバッドEDを全て乗り越えた後の真の終幕も。
思いっきり良い人バージョンのバレンタイン王を見れたのは本当に良かったです。あれがどうして娘ひとつでああまで狂うのやら。

というわけで、うん。難易度が思ったより万人向けじゃなかったとか、ラスト付近のアレがアレでアレだとか、
不満点がないと言ったら嘘になりますけど自分は十二分に楽しめました。カツカツの所持品欄のやりくりに細かすぎる2Dグラフィックに
雰囲気ばっちりのテキストに良質のシナリオ。それらがひとつのゲームに揃った奇跡を、そしてそのゲームと出会えた幸福を、
いちプレイヤーとして開発者とゲーム神に感謝したいと思います。願わくば、このスタッフがこれからも良いゲームを作り続けてくれることを。