バカとテストと召喚獣:井上堅二 ファミ通文庫



テストの点数に応じた召喚獣で設備の良い教室を懸けてバトルする話。半々’Sさんが楽しそうに褒めてたので読んでみた。
ドクロちゃんだ! ドクロちゃんの系譜に連なる作品が! というのが第一印象。
とは言ってもおかゆまさきほどはっちゃけてるわけではないというか、ノリノリな主人公の一人称語りの裏に
きっちり話を盛り上げようとか読者を驚かせようといった計算が見える感じ。その分ネタ的観点で見た爆発力は低めだけど
自分的にはこっちのが好み。『テストの点数=召喚獣の強さ』という設定でキャラの個性や格付けを明確にしつつ
試召戦争のルールの活用という頭脳バトル的要素もあったり、作中では名言されてないけど一見ムチャクチャな設定である試召戦争制度が
実はけっこう生徒の教育に役立ってるんじゃないかとも深読みできたりする。(生徒が自発的に猛勉強して試験受けに来るわけだし)


ラ板大賞で1位とかは決してないだろう類の本。しかしエンターテイメント作品としては文句なしに合格。
この作者の次の本というか、召喚獣シリーズ以外の作品も読んでみたい。そっちでも面白いのを書ける人だと思う。