「もうやめろ! 何故そうまでして富士ミスを滅ぼそうとする!」
「貴様! 貴様ごときに何がわかるっ!
ワシは……ワシはたった一人で富士ミスを大きくしてきたのだぞ! たった……一人で!
何も無いレーベルを! 表紙デザインですら作り出さねばならぬレーベルを!
仲間達と共に年月をかけて、人の住処に変えてきたのだぞ!」
「それを……富士見ファンタジアは、電撃の周りでぬくぬくとしていた連中は、何をしてくれたっ!
作家を切りつめ、流通網を切りつめ、欲しい時には何もよこさなかったくせに!」
「その売り上げを! 豊かなレーベルで育った者にしかない、自然の心の余裕を見せ付けられる度に……ワシが、ワシ自身をどれだけ惨めに思ったか!
それはワシと、十傑衆と呼ばれたワシの仲間達の造ってきた世界を……ワシの全てを否定されるに等しかったのだ!
貴様にわかるか!? だから……ワシは滅ぼすのだよ……ワシを否定する全てを! そして、ライトノベルの全てを富士ミスと同じにしてやるのだよ!」
「そうだとも! 初体験プロジェクト!? ネコのおと!?
そんな物は言葉の飾りだ! ワシが真に願ってやまぬものはだた一つ!
無数の地雷に焼かれて消える富士ミスそのものだーーっ!」