死者の村の少女:山本弘 富士見ファンタジア文庫



サーラの冒険の短編集ですよ奥さん。相変わらず13歳が凄かったです。
何というか、後書きとか見ても山本の兄貴は開けっ広げで大らかなのが好感持てますな。
自分の好きなものを変に隠そうとしていない。「ジェライラの鎧」もこの人の作だったと知って驚きつつもすごく納得しました。
アンソロジーの最後に収録されてた中篇で読んだの多分10年以上前ですけどいまだに覚えてますよアレ。


「時の果てまでこの歌を」
まさかソードワールドで時間の壁がどうのこのうのとSF文法使われるとは。しかもファンタジーの雰囲気を崩してないのは流石。
普通に恋愛物として面白いだけでなく13歳の邪悪化フラグを断ち切ってるしラストシーンも余韻が残って美しい。やっぱり色々書ける人は違うなあ、と。
というか自分、兄貴のSF読んだのは最近なので「SF作家として活躍しているうちにこういうのも書けるようになったんだ」と思ってたら
これが世に出たのは8年前だと判明。その時点でこれを書けたと。すみません兄貴ついこないだまでトンデモ本の人としか認識してませんでした。


「リゼットの冒険」
すごい! この13歳もすごい! さすが山本弘のお兄さん!


「死者の村の少女」
そして本命の13歳が降臨。グロに狂気にジェノサイドにL・O・V・E!とエンタメ要素は一通り。
後書きで邪悪な美少女について語る兄貴がめっちゃ楽しそうでした。