江戸川橋の印刷博物館に行ってきた



公式サイトはここ
地下にあるこのバーチャルリアリティーのシアターがとにかく凄かった。
ヴァーチャルで再現された唐招提寺を一人称視点で見て回るという試みなのだけど、
完全に真っ暗い部屋で視界全部をモニターに占領されるとマジで画面と現実の区別がつかない。
実際の自分は確かに座席に座ってるのに、画面の中の映像が前に進むだけで体が歩いてるように思えてしまう。
人間は情報の80%を視覚から得ているらしいのだけど、その視覚情報で脳がリアルタイムに騙されてた。
「では屋根の上を見てみましょう」とか言われて視点が上にゆっくり移動した時は本当に空を飛んでる気分で夢のように楽しかった。
多分、そう遠くないうちにゲームに応用されると思う。一度でいいからあの画面でキングスフィールドをやってみたい。


映像そのものも綺麗だった。壁と障子を使って部屋の中に海を再現した東山魁夷障壁画とか、
普段は一般客の入れないという鑑真和尚の部屋の中にある故郷の中国を再現した襖絵まできっちり見せてくれたし。


他の展示物だと、原始時代の壁画が滑らかにアニメーションする歴史の井戸が面白かった。
岩に描かれた弓持ちの棒人間がいきなり矢をキリキリつがえて発射。放たれた矢がやっぱり生き生きと壁画の中を逃げる線画の鹿に命中したり。
それからパソコンに収められた解体新書も。杉田玄白さん達のアレは医学だけでなく出版史的にも意義があるものなんだとか。
出島のオランダ語通訳さんの書いた前文がまたかなりの名文で驚いた。解体新書にあんな文章が入ってるなんて、どこの教科書にも書いてなかった。


博物館自体も印刷会社さんがスポンサーやってるので機械類含めた展示物はやたら充実してるし、入場料は思いっきり安かったし、
従業員のお姉さん達の愛想も良かった。ヴァーチャル画面の新作が入る頃にまた行ってみたい。
あ、ちなみにヴァーチャルは土日祝日限定らしいので、もし行くならその日でどうかひとつ。あれは良い物です。