円環少女1 バベル再臨



角川スニーカー文庫9月の新刊で作者は長谷敏司氏。前に出た「楽園」と「フリーダの世界」が両方良かったので読んでみた。
見た目の厚みに反してなかなかボリュームのある本だった。行数が富士ミス並に多い。
一言で表すと現代魔法地獄多世界バトル設定S学生はっちゃけ小説。一言じゃないのは気にしない。
過剰なまでの密度であれこれ詰め込まれてて、その全てがソツ無く水準以上。燃えと萌えとの二刀流にスニーカー文庫チックな鬱まで揃えた贅沢な一品。
自分が特に面白いと感じたのは、数万だか数億だかあるという世界とそれぞれの魔法体系の原理に関する
心地良い程度に判り辛い設定。異世界が数億という宇宙ヤバいスケールの風呂敷に吹いた。
浅井ラボ氏が協力したらしいけど、あの人の咒式説明を楽しく読める人ならまず買って損はしないと思う。
というか中盤で登場した変態3人には明らかに浅井ラボ分が混入されてるような。咒式師として「されど〜」に登場しても全然違和感無さそう。
不満としては所々、読んでて描写不足だと感じた部分があるのだけど、他の作品では全然そんな事無かったし、
後書きに紙面の都合云々の話があったので多分削ったか何かしたのだと思う。
それでも十分に面白かったので続きが楽しみ。次は思いっきり分厚いのを読んでみたい。